山頂泊で楽しむ絶景の大山登山
大山の素晴らしさはそれだけではありません。初心者から上級者まで楽しめる人気の登山スポットで、道中は美しい自然にあふれ、1,709mの山頂に広がる360度の大パノラマは見応えがあります。
絶好の登山シーズンである今、オススメしたいのが山頂にお泊まりする大山登山。夜空を彩る満天の星、キラキラ輝く市街地の夜景、夜と朝が入り交じる黎明の稜線、心が洗われるような御来光など、そこには山頂でひと晩過ごすことでしか見られない、とびっきりの絶景が待っているのです!
大山には主に2つの登山コースがありますが、今回ご紹介するのは、山頂「弥山(みせん)」を目指す「夏山登山コース」です。登山初心者や、大山を訪れるのは初めてという方に向いている、大山登山のメインコースになります。
山頂までの道のりには、西日本最大級といわれるブナの原生林、特別天然記念物・ダイセンキャラボクの群落など特徴的な植生がいっぱい。さらに山頂には、海と山が近い大山の立地ならではの景観が。碧く輝く日本海、美しい弓なりの弧を描きながら伸びる弓ヶ浜半島、緑の山を携えた対岸の島根半島、その2半島に囲まれてできた湖・中海(なかうみ)などを見渡すことができます。
頂上小屋で夕食を済ませ、ひと息ついた後は、眠りにつく前にもう一度外に出てみてください。そこには、昼間とは全く違う眺望が広がっているはずです。
まずは西側をごらんください。登頂したときに見た弓ヶ浜半島が、まるでイルミネーションのようにキラキラと輝きながら浮かび上がっているのです。天候の変化が早い山頂ですから眼下に薄雲がかかることも多々ありますが、幻想的な雰囲気がアップ。時間を忘れてウットリ眺めてしまいます。
暗闇に目を慣らしたところで、今度は頭上に目をやってみてください。遮るものがない晴天の夜空には、降ってきそうなほどたくさんの星を見ることができます。まさに「満天の星」。空気が澄んでいるだけにその瞬きは宝石のように美しく、感動すること間違いなし! 流れ星との遭遇率も高いですよ。
夜間・早朝の移動では必ず懐中電灯を点灯し、足下に十分注意して歩いてください。両手をふさがずに歩けるヘッドライトがオススメです。また、大山山頂は大変冷え込みますので、防寒着は必須です。
さて、次なる絶景は「御来光」。日の出の時間を事前にチェック、その1~2時間前には戸外に出て、まずは東の空がだんだん明るくなる様子を楽しんでみてください。夜と朝の色が徐々に混ざり始める時の空のグラデーションは、自然の芸術です。
日の出が迫ってくると、稜線のオレンジ色がピークに。朝日が顔を出す瞬間は、思わず感嘆の声をあげてしまうことでしょう。その日一番最初に放たれた太陽光線を浴びると、心の悩みがすべて洗い流されるよう。山頂の御来光でしか味わえないすがすがしい朝の時間を、存分に味わってください。
東の御来光を堪能した後は、真反対の西側へ。昨晩夜景を眺めたその場所に、でっかい三角形の影が映し出されます。そう、「影大山(かげだいせん)」です。朝日を背に受けて伯耆大山の影がスーッとふもとに伸びる様子は、大山登山の忘れられない思い出になることでしょう。
大山山頂の絶景を満喫したら、その余韻を噛みしめながらゆっくりと下山しましょう。途中でケガをしてしまってはせっかくのいい気分が台無しです。足下に十分気をつけて、無理のないペースで下りてください。
なお、今回ご紹介した絶景は、数々の条件がそろわなければ見ることができないレアなものです。登山前に天気予報を確認しても、山頂の天候は急に変化する場合があります。「見られたらラッキー」ぐらいの気持ちで臨むといいでしょう。
大山頂上避難小屋は一般開放されており、利用は無料です。夏シーズン中は管理人がいますが、食料や寝具などは各自でご用意ください。自分のゴミは持ち帰る、トイレを清潔に使用するなど、マナーを守って大切に利用しましょう。
【大山登山の心構え 10箇条】
[大山登山についてのお問い合わせ先]
●大山町役場 観光商工課(ダイセンチョウヤクバ カンコウショウコウカ)
住所:〒689-3332 鳥取県西伯郡大山町末長500
お問い合わせ:TEL 0120-86-1709
※月~金曜日の8:30~17:15(祝日を除く)
URL:山陰・大山の旅 D-CLUB公式サイト
●大山町観光案内所(ダイセンチョウカンコウアンナイショ)
住所:〒689-3318 鳥取県西伯郡大山町大山40-33 大山情報館内
お問い合わせ:TEL 0859-52-2502
営業時間:8:00~18:30
定休日:年中無休
交通アクセス:米子駅から日本交通バス「本宮・大山寺行き」で50分、「大山寺」下車、徒歩2分
URL:大山情報館公式サイト